自由診療とは
自費ではなく、自由診療なワケとは?
自由診療と自費診療、言葉としては似ていますが、実は意味が全く異なります。混同されて使われがちですが、違いは何でしょう?
そもそも自費診療とは、患者さんが治療費用を自己負担するという意味で、保険診療の枠組みの中で、保険ではカバーできない治療を患者さんが希望された場合、患者さん「自ら」に「費用」を負担していただく、というのが字面のごとく「自費」治療です。あくまでも保険診療においての費用負担の区別を述べたものにすぎません。
ですから、どんなに治療技術が優れていても、高度な診療機器を使いこなせても、自費率が99%だとしても、いえ、たとえ100%だとしても、初診のときに健康保険証をお預かりすれば、保険制度の決め事を遵守せねばならず、保険診療の体系、考え方、制限、決まり事、数々の束縛から逃れることができません。このような診療は、たとえ全てが患者さんが費用をご負担になる「自費」であったとしても、保険診療と何ら変わりがないのです。
一方で、自由診療の「自由」とは歯科医師の「自由裁量権」の「自由」という意味です。裁量権のことを示唆しており、費用負担のことではありません。初診から保険証をお預かりすることなく、保険診療を全く行わないので、歯科医師法に準拠している限り、あらゆる束縛から解放されます。もちろん保険の束縛からもです。ですから自由診療を実現するためには、保険制度の束縛から完全に離れる必要があり、一切の保険診療を行わないことが条件となります。
真の意味での「自由」とは、患者さんのために拓越した医療を、歯科医師自らが納得できるように診る全ての患者さんに提供でき、それにより感謝にあふれた患者さんたちに囲まれ、理想とする診療が行えることで、歯科医師のみならずスタッフも誇りとプライドをもって、やりがいを感じる職場環境を創造し、プライベートでは家族と十分な時間を過ごせるライフワークバランスが取れた、理想的な診療体系を構築できるという意味での「自由」なのです。
自由診療では、治療目標も方法も、材料も順序も、治療方針や治療費も、自身の歯科人生の目的地さえも、あらゆることすべてを自らの意思で自由に定めることができます。そして、自由診療の歯科医師のあいだでは、助け合いはあっても競争はありません。
自由診療 成功の鍵は?(EXDI の樹)
より良い診療、高品質な歯科医療を目指す多くの歯科医が、技術の向上のため研鑽に励んでいます。しかし技術を極めれば、やがて自由診療に到達できるというわけではありません。高品質な歯科医療の提供は非常に大切な要素ですが、自費ではなく自由診療となれば、成功のためには技術を極めるだけでは駄目なのです。
Dr. L. D.Pankey はその著書で、自由診療の成功の鍵は「歯科診療哲学 = Philosophy 」を深く理解し実践すること、その Philosophy を体現して生きることである、と述べています。
私たち EXDI では、これを「EXDI の樹」という例で紹介しています。すなわち技術やテクニック、機材を使いこなす能力などは、それぞれ葉の一枚、一枚に相当します。たくさんのテクニックを習得して使いこなせる歯科医師は、葉が蒼々と茂った樹のようで立派に写ります。
しかし自由診療を成功させるためには、それだけでは足りません。樹には根が必要なのです。土に覆われて見えない部分、それこそが Dr. L. D.Pankey が述べている「歯科診療哲学= Philosophy 」です。この Philosophy を歯科医師として体現して生きるからこそ信頼を得ることができ、結果として患者さんとの信頼関係が生まれるのです。この信頼関係は、根 ( Philosophy ) からのびて、葉 ( Technique )へといたる途中の幹にあたります。
成功する自由診療とは、まず「歯科診療哲学 = Philosophy 」が根本にあることで、人と人とのあいだが信頼関係という幹で結ばれ、結果として枝葉であるテクニックなどの技術が活かせる環境が成立することになります。
では「歯科診療哲学 = Philosophy 」とは何でしょう?
詳細は、Dr. L. D.Pankey の著書で明らかにされています。また EXDI の指定参考書「The Exceptional Dentistry」にて著者の Dr. Willam Lockard も詳しく解説しています。それは「Cross of Dentistry = 歯科医療成功の十字」です。
Know Yourself(自身を知りなさい)
Know Patient(患者を知りなさい)
Know Work(仕事を知りなさい)
Apply Knowledge(知識を応用しなさい)
これらの意味を深く理解してバランスよく実践することで精神的、物理的に豊かになり成功できると教えています。今は亡き Dr. Willam Lockard は若い頃 Dr. L. D.Pankey から直接指導を受けた The Pankey Institute の重鎮とされる歯科の偉人であり、およそ30年前に EXDI 代表の田山先生が指導を受け、2018年にはファカルティーの高山先生も指導を受けた先生です。